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デンマーク特許商標局代表団が天達共和を訪問

デンマーク特許商標局局長Sune Stampe Sørensen氏が率いる代表団のご一行20名は先ごろ、北京天達共和法律事務所徐斌弁護士及び馮超弁護士の招待を受けて天達共和法律事務所を訪問した。

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会議の冒頭、当所パートナー徐斌弁護士が、天達共和法律事務所の沿革と歴史を紹介した。徐斌弁護士は資源エネルギー分野におけるリーガルサービスを専門とし、外商投資や企業の国内外での投資買収プロジェクトにおける豊富な経験と実績を誇るベテラン弁護士として、2016年度のLEGALBAND会社買収業務を取り扱う中国のトップ弁護士ランキングにも名を連ねている。続いて馮超弁護士が天達共和法律事務所の提供するリーガルサービスの範囲と業務内容を紹介し、中国における知的財産権訴訟を管轄する裁判所の級別、知的財産権案件における挙証責任、権利侵害に対する賠償の計算基準、ここ数年間の中国における知的財産権に関する司法実務の現状と今後の発展の見通しについて詳細に説明した。

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馮超弁護士によると、中国の最高人民法院は2014年に北京、上海及び広州にそれぞれ知的財産権裁判所を設立した。これにより、地方行政による司法への過度な干渉を避け、異なる地域においても同類の案件であれば統一された司法判断基準が適用されることが保証されることとなり、外商投資企業の権益をよりよく保護することができるようになった。知的財産権案件に特化した裁判所を設立することにより、知的財産権をめぐる訴訟案件に対応する司法裁判システムが構築され、知的財産権への侵害行為をより厳しく取り締り、司法裁判システムをさらに整え、外商投資企業の中国国内における知的財産権保護システムの更なる充実化が図られた。

 

馮超弁護士は、デンマーク特許商標局代表団に対し、中国における民事権利侵害案件の法定審理の基本的な流れを説明した。これには、開廷前準備、法廷調査(当事者による陳述、証拠の提示及び証拠調べ)、法廷での弁論、案件評議及び判決の宣告が含まれる。デンマーク特許商標局代表団メンバーは、商標専用権の侵害にかかる賠償金の計算基準、挙証責任及び知的財産権訴訟禁令問題などについて馮弁護士に質問し、馮弁護士はこれらの質問に一つ一つ丁寧に回答し、解説した。

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商標専用権への侵害にかかる損害賠償基準について、馮弁護士は、現在のところ、中国では三種類の賠償基準が適用されていると説明した。即ち、権利人が商標権利侵害行為により被った実際の損失、権利侵害者が権利侵害行為により実際に獲得した利益、権利者が被った損失又は権利侵害者が獲得した利潤が確定できない場合には、商標許諾使用料の倍数に照らして合理的に確定することができる。上に述べた金額がいずれも確定できない場合、人民法院は、権利侵害行為の具体的な状況を踏まえて300万元以下の賠償を支払うよう命じる判決を下すことができる。然るに司法実務において、権利者の損失金額、権利侵害者の獲得した利益及び商標許諾使用料のいずれも確定できない場合に、権利侵害者が実際に獲得した利益が金額にして300万元を超えることを証明し得る証拠がある場合には、人民法院はこの300万元との制限を超えた賠償命令を下すことも可能である。

 

商標権利侵害訴訟における挙証責任について、馮弁護士は、以下のとおり説明した。知的財産権をめぐる民事訴訟における証拠規則については、実務において異なる見解や意見がこれまでずっと存在していた。商標権利侵害訴訟において、特に、損失の挙証責任は「主張する者が挙証する」との原則を完全に適用されるというものではない。即ち、民事案件の原告が損失を主張する場合には挙証責任を負い、挙証できない場合には、敗訴のリスクを負わなければならない。これに対して商標権侵害訴訟においては、原告には自らの被った損失に対する賠償を獲得するために挙証するものの、権利人の損失は裁判所が確定する賠償の一つの方式に過ぎず、原告が損失金額を挙証できない場合でも、裁判所が法定賠償金額を適用することができる。このほか、民事訴訟証拠規定によれば、新製品の製造方法にかかる発明特許をめぐる権利侵害訴訟においては、同様の製品を製造する企業又は個人が、その製品の製造方法が特許方法とは異なる方法であることを挙証する責任を負う。このような状況下では、挙証責任倒置の原則が適用される。しかも、知的財産権をめぐる訴訟において、人民法院は、案件の実際の状況を踏まえて、挙証責任を改めて分配することができるとされている。

 

知的財産権をめぐる訴訟の禁令問題について、馮弁護士は、現在のところ、中国の司法実務では、知的財産権訴訟の禁令制度は、訴訟前禁令と訴訟中禁令の二種類があると説明した。時間の関係で、馮弁護士は実務において比較的多く見られる訴訟中保全のケースについてのみ、近年において自身が対応して成功裏に処理した訴訟中保全の申立て案件での経験を踏まえ、デンマーク特許商標代表団に対して詳細に解説した。人民法院は、訴訟中禁令において以下の条件を考慮する。第一に、申立人が合法且つ有効な知的財産権を保有していること。第二に、被申立人が現在実施しているか又は実施しようとしている行為が知的財産権への侵害にあたること。第三に、関連する措置を講じない場合、申立人の合法的な権益が補填不能な損害を受ける可能性があること。第四に、申立人が有効な担保を提供していること。第五に、禁令が下されても公共の利益には何ら損害が生じないこと。これらの要件は単独で成立するのみならず、相互にも影響を及ぼし合う。

その後、馮超弁護士は自ら代理する多くの国際的に名前の知られた企業が関わる知的財産権をめぐる訴訟案件を例に、デンマーク特許商標代表団に対して中国における知的財産権の保護及び権利侵害にかかる損害賠償に関する策略と提言について詳細に解説し、デンマーク特許商標代表団からの高い評価を受けた。

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会議の最後に、デンマーク特許商標局代表団メンバーは、徐斌弁護士と馮超弁護士の素晴らしいスピーチと天達共和法律事務所の心のこもった対応に対する感謝の意を述べた。デンマーク特許商標代表団は、今回の天達共和法律事務所訪問により中国に投資するデンマーク企業の知的財産権保護やブランド保護などについて理解することができたと高く評価するとともに、次のステップとなる提携に向けての研究討議を期待していると述べた。

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